ウズベキスタン個人旅行 4都市周遊のプランとコスト

タシケント

2024年9月にウズベキスタンの4都市、サマルカンド、ブハラ、ヒヴァ、タシケント(+隣国タジキスタン)を周遊する旅をしました。飛行機、鉄道、ホテルなどすべて個人手配で、かなり自由度の高いプランにできたので、その際利用した移動手段や費用についてまとめます。

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ウズベキスタンの目的地:サマルカンド・ブハラ・ヒヴァ

もともとこの旅は、2020年9月に行くつもりで計画していたもの。”~スタン”という国名だけで抵抗を持つ同行者を、ウズベキスタンがいかに観光産業に注力しており安全か、データなども提示し説得。晴れて夏休みの目的地に決定したところで、新型コロナによりすべてが吹っ飛んだ、そんな旅行の一つでした。そこから4年越しのリベンジです。

目的地としたのは、青の都サマルカンド、そしてブハラ、ヒヴァの3都市です。それぞれ世界遺産にも登録されている、歴史的に重要なシルクロードのオアシス都市。ウズベキスタンにはもう一つ、シャフリサブスにも世界遺産があり、ウズベキスタン的超有名人、ティムールさんの生誕地なのですが、ここに行くか隣国タジキスタンに行くかの選択肢で、私はタジキスタンに行ってみたかったため、シャフリサブスは諦めました。

タシケントは、いずれにしろ乗り継ぎで滞在するので、1日程度時間を取ったのみですが、他の都市より近代的で、発展する国の首都を見るという観点で興味深かったです。
それぞれの都市の詳細については、別途記事にできればと思いますが、まずはウズベキスタンへの行き方、都市間の移動方法についてご紹介します。

ウズベキスタンへの移動:ウズベキスタン航空ビジネスクラスでタシケントへ

ウズベキスタンの国際線は、首都であるタシケントの空港がメインとなります。日本からもウズベキスタン航空で、成田からタシケントへの直行便があるため、こちらを検討されるが多いかと思います。ただ、直行便は週に2便(2025年6月現在、成田は火・金発、タシケントは月・木発)しかないため、日程がある程度固定されてしまい、休暇に合わせてフレキシブルにプランを組むのが難しいです。

私も最初は日本からの直行便を検討していましたが、途中で韓国の仁川国際空港からは、タシケントに毎日複数直行便がある&航空会社もアシアナなど他の選択肢があることに気が付き、日本→韓国乗り継ぎ→ウズベキスタン、という旅程を選択することにしました。
東京からソウルは恐らくもっとも便数の多い国際線ですし、ソウルを起点とすることで、ウズベキスタン往復日程の自由度が格段に高まります(仁川国際空港からタシケント国際空港へのGoogle検索結果はこちら)。

コストやスケジュールなどを比較して、航空会社はウズベキスタン航空のままにしましたが、ウズベキスタン国内をどのように回りたいかを踏まえて、それに合わせた便を取ることができました。

目的地の中で、もっともタシケントから遠いのがヒヴァ。また近年鉄道が発達してきたウズベキスタンですが、ヒヴァはタシケントからだと14時間かかる寝台列車、比較的近いブハラからでも6時間弱の列車と、鉄道での移動効率があまり良くない都市。時間があればゆっくり鉄道旅も面白そうですが、ここは効率と快適性重視で、ヒヴァまでは飛行機で行くことにしました。

タシケントからウルゲンチ(ヒヴァの拠点となる空港がある街)の国内線のスケジュールを確認し、日曜日早朝の便でヒヴァに行けるように、金曜日夕方に羽田からソウル入り、土曜日午前発の便で昼過ぎにタシケント入り。帰りは同じ土曜日の夜便で仁川に戻って来る、ウズベキスタン滞在がちょうど一週間強となる日程です。

航空券はウズベキスタン航空のWEBサイトで直接予約しましたが、たまたまその日程でビジネスクラスとエコノミークラスの価格差が非常に少なく(いくらだったか忘れてしまいましたが、一人当たり3~5万程度の差だったと思います)、だったらビジネスで行きたい!と往復ビジネスクラスで予約しました。結果的にビジネスクラスは非常に快適でした!

ちなみにウズベキスタン航空の日本語サイトは予約には利用できないようですし、httpsにもなっていない古いサイトですので、こちらは無視してオリジナルサイトの英語版(https://www.uzairways.com/en)から予約しました。英語を選んでいるのに、たまにロシア語が出てきてしまいますが、予約する分には問題ないレベルです。

タシケント発仁川行き、ウズベキスタン航空ビジネスクラスのご飯

ウズベキスタン都市間の移動:国内線、車、ウズベキスタン鉄道

上記のように、タシケントからヒヴァへの移動はウズベキスタン航空の国内線にしました。そのほかの移動は下記になります。

  • ヒヴァからブハラ:GetYourGuideで英語ドライバーの車を予約
    ウズベキスタン鉄道もありますが、前述のように本数が少なく時間の自由が効かないこと、車と同じくらい時間がかかることから、GetYourGuideでヒヴァ-ブハラ送迎サービスを英語ドライバーで予約しました。数社で同様のサービスがありますが、価格感はあまり変わりません。
    まあまあ割高なので、現地での手配も検討しましたが、ここはリスクは避けて事前予約としました。
  • ブハラからサマルカンド:ウズベキスタン鉄道(高速鉄道アフラシャブ号 エコノミークラス)
    1日に複数ある高速鉄道で、2時間弱で移動可能、鉄道移動が一番しやすい区間です。予約が埋まりやすいというコメントを見かけたので、発売直後(乗車日の2ヶ月前)に購入しました。
    ウズベキスタン鉄道のチケット購入サイト英語版(https://eticket.railway.uz/en/)に行くと、良く使われる駅名はデフォルトで表示されているので、選ぶだけで簡単に検索できます。またアプリをダウンロードすれば、チケットもそれでOKです!
  • サマルカンドからタシケント:ウズベキスタン鉄道(高速鉄道アフラシャブ号 ビジネスクラス)
    帰りの飛行機にちょうど良い時間の列車がなく、現地で車移動を手配するパターンも考えて、予約なしで行きました。結果的にサマルカンド観光は十分できたので、早めの列車で移動して、タシケントで観光やお土産探しをすることにして、アプリで直前に予約しました。せっかくなのでビジネスクラスにしたら、シートも広いし軽食も出て、非常に快適でした!
サマルカンド駅
サマルカンドの鉄道駅

ウズベキスタン都市内の移動:Yandexがあれば大丈夫!+タクシー少々

続いて街なかの移動について。いろいろな方がブログで書かれているように、Yandex Goという配車アプリさえあれば、基本的には問題ありません。ドライバーもたくさんいるので待ち時間も少なく、Yandex最強です。アジアにおけるGrabのような安心感!

ただ、ヒヴァではYandexが使えないため、ウルゲンチからヒヴァの移動は事前にホテル経由で手配しておきました。イチャン・カラと呼ばれる内城エリアに移動後は、そのエリアから出なかったため、観光は徒歩で大丈夫でした。

ホテル予約

ホテルは、各都市で評価が良さそうなところを探して、agodaなどOTA経由で予約。ウズベキスタンでは、マドラサというイスラムの神学校を改装したホテルがたくさんあります。せっかくなのでヒヴァ1泊(イチャン・カラ内)とブハラ2泊はマドラサホテルにして、古い建物の雰囲気を満喫。空港近辺で1泊したタシケントと、観光の中心地、レギスタン広場から徒歩圏内で3泊したサマルカンドでは、現代的なホテルに宿泊しました。

おまけ:タジキスタン半日ツアー

サマルカンドから隣国タジキスタンがかなり近く、1日どころか半日ツアーで行けることに気づき、Viatorでパンジケントへのツアーを予約して行ってきました。人生で一度も行こうと考えたことのない国タジキスタン、行けるなら行っておきたい!

短時間のツアーながらタジキスタンの代表的な世界文化遺産、“サラズムの原始都市遺跡”と、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン3国からなる世界遺産、”シルクロード:ザラフシャン=カラクム回廊”の構成資産である“古代パンジケントの都市”を観光できました。パンジケントには”7つの湖”という観光地があり、山と湖の風景が美しいらしいのですが、こちらまで行くツアーはかなり時間がかかるため、今回は近場のみで2つの世界遺産を巡れるツアーを選びました。

いわゆる”スタン系”の国を旅のテーマにする方がいますが、図らずも私もこの旅で2スタンを達成することができました!

タジキスタン
タジキスタンの風景。ずっと茶色い山!

クレジットカードの普及状況と現金について

ウズベキスタンはあまりクレジットカードが普及していないので、現金があった方が良いという話を行く前に見ていました。また、日本円の両替レートが悪いので、持っていくのはドルだということも。ちょうどウズベキスタンに行く前に、アメリカ出張があったので、ATMでドルを下ろしたり、日本で若干円高になったタイミングでワールドカレンシーショップでも追加したりして、500ドル程度を持参しました。

クレジットカードは、ヒヴァではホテル、レストラン含めてほぼ全滅。ブハラでは店により、ホテルでは”通信さえ上手くいけばカードで払えるよ!”とのことで、無事に支払うことができました。また、ホテルなどでのクレジットカード払いも、基本的にはドルで行われるようです。ウズベキスタン航空でチケットを購入する際も、USD、RUB(ロシアルーブル)、UZS(ウズベキスタンスム)という選択肢でしたので、ドル払いにしました。こういった場面でも、ドルのデビットカードがあると低い為替手数料で、大きな金額の買い物を済ませることができます。ちなみにウズベキスタン鉄道の支払いはなぜか、ドルではなく英国ポンドでした。

結果的にドルからウズベキスタンスムへの両替は350ドルで、持っていった分すべては使わなかったです。入場料などはカードが使えないところも多いので、やはりドルの準備は重要。そしてスムは桁が多すぎて、金額が分かりづらい!

旅のコスト

以上、ウズベキスタン個人旅行のプランニングについてでした。下記がコストのまとめになります。ウズベキスタン分で36万円、韓国への移動を含めると40万円超となりました。ソウル便をJALで取ってまあまあ割高でしたので、韓国分はもう少しコストを下げる余地があります。

ウズベキスタン分は、こう見るとほぼ航空券じゃん、という感じですが、ビジネスクラスですので、コスパ的には悪くない。エコノミーなら20万円切るチケットが買えたのと、ちょうどこの航空券を買った2024年の6月ごろ、ドル円が160円近辺だったため、ちょっと割高となっています。あとはタジキスタンツアーもなかなか高かったですが、ここは新しい国に行けるという経験のため、コスパは気にせずに。

食事は飲み物含めて1回1~3千円くらいでした。ウズベキスタンはイスラムの国ながらアルコールに寛容で、ビールなどを置いているお店も多いので、基本的にはアルコール含めた価格感です。コスパ良かったです

スクロールできます
航空券:仁川~タシケント往復$1,420 ≒ 22万円ビジネスクラス1名分
航空券:タシケント~ウルゲンチ片道$66 ≒ 1万円エコノミークラス1名分
車:ウルゲンチ~ヒヴァ$15 ≒ 2千円車1台
車:ヒヴァ~ブハラ$120 ≒ 1.7万円車1台
鉄道:ブハラ~サマルカンド2千円エコノミークラス1名分
鉄道:サマルカンド~タシケント4千円ビジネスクラス1名分
車:Yandex Go 13回分3千円車1台
車:タジキスタンツアー$180 ≒ 2.5万円2名予約の1名分、1名予約だと割高に
ホテル ウズベキスタン7泊5万円2名予約の1名分
入場料、食費、雑費3万円
航空券韓国分:羽田~金浦往復6.5万円JALで予約
ホテル 韓国1泊5千円2名予約の1名分
ウズベキスタン合計36.3万円
韓国合計7万円

ツアーを検索すると、一週間複数都市周遊で30~50万円台というものが多そうです。日本語の添乗員同行だと100万円超えるものがあったり・・。飛行機や列車でビジネスクラスを使っていることや、ホテルもそこそこ快適性のあるクラスで取りましたので、個人手配にしたことで、ツアーよりはコスパ良く予約できているかと思います。

私にとってウズベキスタンは37ヶ国目、タジキスタンは38ヶ国目の訪問国でしたが、これまでの経験から言って、ウズベキスタンはかなり個人旅行しやすい国の一つです。準備はしっかりする必要がありますが、英語も通じますし、人も親切で、旅行中一度も困ったりすることがありませんでした。トラブルは一度だけ、移動中に寄ったレストランでメニューを見ずにコーヒーを頼んだら、食事より高い料金をボラれたことくらいです。ムカついたけど面倒なので払っておきました(とはいえ数百円レベル)。

以上、ウズベキスタン旅行を検討されている方のお役に立てば嬉しいです。

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