2024年9月のウズベキスタン4都市周遊、訪問した都市をヒヴァから振り返っていきます。ウズベキスタン文化観光局の説明によれば、ヒヴァは8世紀にはすでに街があったとされるウズベキスタンの古都。古くからホラズムと呼ばれていた地域にあり、現在もホラズム州に位置しています。
19世紀、敵の侵入を防ぐため二重の城壁が作られ、内壁に囲まれた“内城”という意味を持つイチャンカラ(Itchan Kala)。外側の城壁はディシャンカラ。美しい言葉ですね!
ウズベキスタンには5つの世界文化遺産がありますが(内1つはタジキスタン、トルクメニスタンと共有の登録)、イチャンカラはウズベキスタン初、1990年に登録された世界遺産です。UNESCOの情報をざっと見た感じ、特定の構成資産ではなく、イチャンカラそのものが登録されているようです。
飛行機でタシケント→ウルゲンチ、イチャンカラへはタクシーで
早朝にタシケントを飛行機で出発し、到着したのはヒヴァの空の玄関口となるウルゲンチ国際空港。想像通り小ぢんまりとした空港で、飛行機を降りてターミナルに歩いて向かいます。出口のところで、ホテルに頼んでいたタクシーをすぐに見つけることができました。


40-50分ほどかけてイチャンカラの宿、FERUZKHAN HOTELに無事到着!マドラサ(or メドレセ)というイスラムの神学校だった建物を改装したホテル。シャワーの水圧は推し量るべし・・という感じですが、部屋も中庭も良い感じ。ヒヴァは基本的にクレジットカードが使えず、ホテル代とタクシー代も現金払い。1泊2名朝食付き、日本円で9200円ほどなので、コスパも良い!建物は壁に囲まれており、道沿いから中に入るための階段も良い雰囲気でした。


イチャンカラ観光
ヒヴァ滞在は丸1日のみ。イチャンカラの中だけであれば、それで十分に主要な観光スポットを巡れます。ヒヴァは歴史のある街ですが、イチャンカラにある建築は、1800年代~1900年代初頭に建てられた新しめのものが多いです。そのため非常にきれいな状態で残っています。
まずはこれを見たかった、イチャンカラの象徴的存在、カルタミナール。1852年に着工したものの、未完に終わったミナレット。太めの煙突のようですが、これが実際に青タイルで一番上まで作られていたとしたら、すごい存在感だったでしょうね。手間とコストもハンパないだろうから、未完成なのも分かる。
イチャンカラの玄関口とされる、オタ・ダルヴァザ門(西門)からも近く、観光客だらけのイチャンカラでも特に賑わっているエリアです。今回巡ったウズベキスタン4都市の中で、最も観光客向けの要素が強いのがイチャンカラ。イタリアで言えばヴェネチアのような存在です。


続いてイスラム・ホジャ・メドレセ & ミナレット。45mあるこのミナレットがヒヴァで一番高いそう。ものすごい狭い階段で上に行けます。上りも下りも超大変ですが、ヒヴァを一望する景色のためには行く価値あり!ページ上部に掲載している写真が、ミナレットから撮影したものです。
木や花が多いメドレセの中庭も非常に良く、真っ昼間の強い日差しの中、日陰もなくて暑かった割に、清々しい空間でした。


イチャンカラにあるもう一つの象徴的なミナレットが、ジュマモスク(金曜モスク)横にあるジュッミミナレット。イスラム・ホジャ・ミナレットより少し小ぶりながら、こちらも美しいミナレット。イチャンカラ内ではこの2本のミナレットを目印に歩くことができます。
ジュマモスクは彫刻された木製の柱が並ぶ、あまり見たことのない建築。10世紀に建てられたということです。中庭のように屋根が開いている部分からだけ光が差し込み、荘厳な雰囲気です。


青い丸屋根が象徴的な建物は、パフラヴァン・マフムド廟。聖人として尊敬されていたというパフラヴァン・マフムドのお墓がある場所。ポコポコと周囲にある丸屋根も廟。お墓とはいえ、非常に可愛らしい建物です。

古い宮殿、という意味だという17世紀に建てられたクフナアルク。隣にあるアクシェイフ・ボボの見張り台は、夕陽がきれいに見えるスポットということで、観光客に人気です。


こちらは新しい方、1830年代に建てられたというタシュハウリ宮殿。同様にタイルや柱の装飾が見事。


数々の美しい建築があるイチャンカラですが、私が特に気に入ったのはこちらのAmir Tura Madrasah。中に入ることはできませんが、やり過ぎ感のないまとまった外観が素敵で、門の隙間から見た中の雰囲気も良い。


イチャンカラを歩いていると、リボンを縦にひっくり返したような形の青いタイルを良く見かけます。土産物屋で同じ形のマグネットも売られていますが、これはゾロアスター教のシンボルとのこと。バタフライタイルとも呼ばれているようですが、イスラム以前、ヒヴァがゾロアスター教の都市だったことの名残だそうです。旅をしていると常々、歴史の勉強が足りてないなと実感させられます!
商魂たくましい土産物屋から、ゾロアスターのマグネットは他の街にはないよ!と言われましたが、高すぎたから買わず、写真だけ持ち帰ってきました。


イチャンカラでの食事
観光客の多いイチャンカラですが、店にこだわらなければ食事をする場所は確保できました。ウズベキスタンでは餃子っぽい食べ物を良く見るのですが、ヒヴァではトゥフム・バラクという卵を入れた平べったい餃子があり、ホラズム地方独特の料理らしいです。ランチでは、色んな種類の餃子盛り合わせを食べました。ウズベキスタンは野菜料理が豊富なのも嬉しいところ。お米や麺のメニューも、日本人にはありがたいですね。


印象としては、トルコやシリアなど中東系の料理に、中国などアジアのエッセンスも感じ、まさに中央アジアという文化の交差点らしさが食事にも表れているということかもしれません。ディナーは店外の席に座り、カルタミナールを眺めながら、Sarbast(サルバスト)というウズベキスタンビールも飲みました!再びの揚げ餃子的なものや、米の入ったスープなど注文。スイーツはやはり中東系に似た感じがする、こってりとした甘さです。




イチャンカラ観光終了、ブハラへ車で移動
2日目、11時に予約していたブハラへのタクシーが来るまで街歩き。バッチェ・ダルヴァザ(北門)を出たところでは、土のレンガで作られているという城壁の様子が良く分かります。
移動時間となり、ここからはタクシーで6時間かけてブハラへ。運転手さんが途中、アムダリヤ川のビューポイントで車を止めてくれました。川の向こう岸はトルクメニスタン。近いですね!
その後ひたすら茶色い乾いた大地が続く、砂漠地帯のようなところを抜けて、再び緑が見られるようになってきたら、ブハラの街に到着です。次回はブハラについて書きます!


ウズベキスタン旅行全体のプランとコストについては、こちらの記事もぜひご参照ください
