世界遺産で巡るバルト三国 ~リトアニア・ヴィリニュス~

前回のラトビアに続き、リトアニアの世界遺産と観光スポットをご紹介します。初回はリトアニア基本情報と、首都ヴィリニュスの世界遺産からです。

目次

旅行プランとリトアニア基本情報

リトアニアの首都ヴィリニュスへは、ラトビアの首都リガから、バスで4時間ほどの移動。リガの観光時間を長めに取るため、18時発にしましたが、この路線は本数も多く、もっと遅い時間のバスもありました。ぴったり22時頃に、鉄道のヴィリニュス駅前にあるバスターミナルに到着。ホテルは頑張れば歩ける場所でしたが、夜ということもあり、Boltを呼んで向かいました。

スケジュール

前回もご紹介したラトビア・リトアニア全体のスケジュールがこちら。リガからリトアニアへのバスツアーに行ったこともあり、首都・ヴィリニュス、第二の都市・カウナス、シャウレイというリトアニア3都市で、2.5日ほどの滞在、ヴィリニュスは丸1日+数時間。

  • 1日目:19時ごろ飛行機で、ラトビアの首都リガ国際空港着(リガ泊)
  • 2日目:リガ発のバスツアーで、リトアニアにある十字の丘へ、夕方戻ってリガ観光(リガ泊)
  • 3日目:リガ観光、18時発・22時着のバスで、リトアニアの首都、ヴィリニュスへ移動(ヴィリニュス泊)
  • 4日目:電車でリトアニア第二の都市、カウナスへ、夕方戻ってヴィリニュス観光(ヴィリニュス泊)
  • 5日目:ヴィリニュス観光、20時発の飛行機でイスタンブールを経由して帰国

リトアニア基本情報

リトアニアの人口は286万人程度で、バルト三国最多。国土はラトビアと同じく日本の1/6くらいの広さ。ラトビアの50%超には負けますが、リトアニアも国土の30%超が森!ちなみにバルト三国はほぼ平地だそうで、一番高い山でも310m台。リトアニアの最高峰は294mだそうです。

言語はリトアニア語ですが、お店などでは英語で大丈夫。一般の方は英語での会話が難しい場面もあり、私の行動範囲では、ラトビアの方が英語のコミュニケーションはスムーズでした。

またリトアニアは、ラトビアとエストニアに比べると、ロシア系住民が全体の5%ほどと少ないそう。理由を調べたところ、エストニアの首都タリンや、リガなど大都市で、労働力として多くのロシア人が流入したのに対し、リトアニアはヴィリニュスだけに産業を集中させず、地方に分散して地元民を活用したという背景があったそうです。旧ソ連支配への抵抗運動(森の兄弟)が、最も激しかったのがリトアニアというのも理由の一つのようです。

ラトビアと同じく、リトアニアでも国旗の掲揚や、ウクライナへのサポートを多くの場所で見ることができました。

リトアニアの世界遺産:ヴィリニュス歴史地区 Vilnius Historic Center

そんなリトアニアで1994年、最初に登録された世界遺産が首都でもあるヴィリニュス歴史地区。ちなみに日本人には覚えづらいヴィリニュスという地名ですが、発音はどちらかというと”ヴィルニュス”に近かった印象。英語の綴りもVilniusです。

ヴィリニュスは、13世紀から18世紀までリトアニア大公国の政治的な中心、また首都とされていた街。リトアニア大公国は15世紀頃ヨーロッパ最大の国家だったそうで、多くの歴史的な建造物があります。また宗教の多様性があり、カトリック、プロテスタント、ロシア正教の教会以外に、イスラム教のモスクやユダヤ教のシナゴーグもあるそうです。

戦争や侵略で破壊された建物も修復、復元され、ゴシック、ルネサンス、バロックなど様々な建築様式が立ち並ぶ中世の街並みが保存されていることが評価され、世界遺産となりました。

鉄道、バスのターミナルであるヴィリニュス駅北側から、ネリス川の間にある旧市街エリアで、世界遺産の街並みと主な建築物が点在します。リガと同様、このエリアの観光のみなら徒歩で十分というコンパクトな街です。

ゲディミナスの丘からヴィリニュス大聖堂

旧市街の北、ネリス川の南側にある、ゲディミナスの丘。リトアニア大公国のゲディミナス大公が、1323年頃ゲディミナス城を築いたそうですが、1419年の火災後にヴィタウタス大公が再建した城の一部が現在に残ります。

丘の上にあるので、下からもよく見えるし、上るとヴィリニュス旧市街や、麓のリトアニア大公宮が一望できるビュースポット!ケーブルカーが運休してて、息を切らしながら階段を上っている横を、リトアニアの小学生たちが元気よく走り抜けて行きました。

旧市街の街並み
リトアニア大公宮

ヴィルネ川という細い川を挟んだ対岸の丘に、3つの十字架というモニュメントがあります。14世紀、布教に訪れたフランシスコ会の僧侶7人が異教徒に殺され、追悼のために17世紀に建てられたそう。ソ連時代に破壊され、現在の十字架は1989年の再建です。時間がなくて行けなかった場所ですが、ゲディミナス城からも、ヴィリニュス大学の塔からも見えました。丘を下ったあと、ネリス川の土手まで降りてみると、とても首都の中心部とは思えない気持ちの良い風景。さすが30%超が森の国!

ヴィリニュス大学から見えた3つの十字架
ネリス川

丘の下には国立博物館もありますが、建物を修復していてお休み中。城下に見えたリトアニア大公宮の隣にあるのが、ヴィリニュス大聖堂です。非常に大きくて立派な大聖堂。外観、内観ともにかなり装飾的です。

現在残っている建物は18世紀に建てられた新古典主義様式ということですが、バロックっぽさも感じます。

ヴィリニュス大学

南に下って旧市街の中心あたりにあるのが、ヴィリニュス大学。1579年に設置された、中央&東ヨーロッパで最も古い大学の一つ。大学の入口すぐのところに聖ヨハネ教会と鐘楼があります。大学自体は無料で入れましたが、鐘楼に上るのは料金が必要でした。教会内部はザ・バロック!という装飾。全く知らなかったのですが、ヴィリニュスは18世紀に後期バロック様式の独自の流派が発展し、“ヴィリニュス・バロック”と呼ばれているそうです。このあとの教会も、こんなにもバロックを見たのはドイツ以来かも、というバロック・オンパレード状態でした。

聖ヨハネ教会と鐘楼
超絶バロック感
リトアニア最大らしいパイプオルガン
修復された像。木製らしい

鐘楼にはフーコーの振り子(Foucault pendulum)という巨大な装置が。東西南北が書いてある振動面が、振り子に対して変化することが、地球の自転を証明するらしい。世界中まあまあ色んなところを旅したけど、これは初めて見た。そして鐘楼で流れる音楽の作曲家が、まさかの日本の方。私は全く知らなかったですが、細川俊夫さんて有名な方のようですね。2023年にレコーディングされたInvisible Angelsという楽曲を、毎時ごと聞くことができます。

ページ最上部の写真は、鐘楼から見たヴィリニュスの街並みです。多様な建築物と、豊かな自然が一望できます。

振り子と振動面
超高いところから吊るされてる
ここで日本人の名前を見られるとは!

大学の入口にいた女性が、素晴らしいフレスコ画があるから見に行って!と言うので、メインの校舎とフレスコ画の建物へ。天井に描かれたフレスコ画は、古いものではなく、1970年代~1980年代にかけて、リトアニアの画家Petras Repšysによって描かれたもの。緻密で美しく、ずっと見てられます。

ヴィリニュス大学校舎
フレスコ画
四季をテーマに描かれている
ステンドグラスもモダンでお洒落

ウジュピス共和国

ヴィリニュス大学の東側へ、ゲディミナス城近くと同じヴィルネ川の流れが続いていて、ここを渡るとウジュピス共和国。本当の国ではないけど、このエリアのアーティストたちが独立を宣言し、独自の憲法も持っているそう。確かにあちこちにアートが。面白いお土産もの屋さんもあるので、散歩にオススメです。

旧市街の建物、街並み

そのほか、旧市街の街歩きで見た建物たち。とにかく、教会のバロック感がすごい!

聖カジミェシュ教会
聖カジミェシュ教会内部
ヴィリニュス市庁舎
塔はVilnius St. Virgin Maria ‘s Church
市庁舎前の広場
レストランのテラスがお洒落

こちらは聖アンナ教会。レンガ造りのゴシックがクラシカルな雰囲気。

城壁の門や、何気ない小道の雰囲気も素敵です。

城壁に残る夜明けの門
中央はリトアニアの国章、ヴィーティスという白い騎士
バロック調の装飾が非常に美しい、聖三位一体教会のバジリアン門
バジリアン門

こちらが私の選んだヴィリニュスのキングオブバロック、ドミニカの聖霊教会。ピンク×ブルー×金!ドイツで見たロココ様式の世界遺産、ヴィースの巡礼教会を思い出しました。

外観はそこまで派手じゃない
中はカラフル
深めのブルーが効いている

占領と自由の戦い博物館 The Museum of Occupations and Freedom Fights

世界遺産のエリア外となるこちらは、少し遠いので唯一ライドシェアで移動。ラトビアでは十分な時間が取れなかったので、リトアニアではしっかりと見ておきたかった、この国の占領の歴史。リガの建物と同じ、KGBが使っていた、さらにその前はナチスも使っていたという建物です。

この建物で行われていた凄惨な拷問や殺戮が説明されており、見ているだけでもずっしり重い。ポーランドでアウシュビッツを訪れたときの気持ちに似ています。

自由に向けた戦いの時代にも、家族や友人に刺繍を送ったという女性たち。こちらの展示に少し救われた。ホントはツアーで参加した方が話が聞けるので良さそうだったけど、時間が合わずセルフで回りました。

こういった場所を訪れて、その国の歴史や文化的背景を知るのは、まさに旅以外では得難い経験。世界史をロクに勉強しなかった自分を恥じながら、今後も旅を通じて歴史への理解を深めていきたいです。

ヴィリニュス 旅のTips

移動

ライドシェア

街なかは徒歩移動しかしなかったけど、少し離れた場所はライドシェアを利用。ラトビア・リガと同様、Boltが使えます。ヴィリニュス以外に訪れたカウナスでも、Boltが普及しており、長く待つこともありません。

電車

“LTG”という日本のJRみたいな鉄道会社が、リトアニア国内はもちろん、ラトビアのリガ、エストニアのタリン、そしてポーランドのワルシャワ、クラクフなど近隣の主要都市と結ぶ電車を運行しています。ルートマップはこちら

カウナスに行く際に利用しましたが、Googleマップでヴィリニュスからカウナスのルートを検索したらLTGが表示され、そこからネットで簡単に購入可能!片道€8,40でした。メールにApple Walletのチケットも添付されいて、外国人なのにこの手軽さでチケットが買えるのがホントにありがたい。

バス

私は使っていませんが、市内はバスもたくさん走っていました。料金は€1~と良心的。1日乗り放題などさまざまなチケットがあるようです。アプリ購入や、バス車内でのVisaタッチもできると説明されています。ホント、交通網の手軽さが日本とは段違い。

街中で見かけるバスの行き先表示がときどき、Vilinius ♥ Ukraina となることにかなり感動。本当にラトビア、リトアニアの人々は全力でウクライナを支持しています。

見づらいけどVilinius ♥ Ukrainaの表示
こちらの建物もウクライナ国旗で全力支援

ホテル

リトアニアもホテルの価格はラトビア並みにコスパが良く、駅近&一泊1万円台前半で複数の選択肢がありました。ただ、旧市街で修道院をリノベしたホテルを見つけてしまい、やや割高だったものの修道院好きとして興味津々で、元の予約をキャンセルして直前に取り直しました。朝食込みで一泊18,000円ほど。

部屋は小さかったけど、朝食会場や中庭が素敵で、旅の締めくくりの2泊だったので奮発して良かったです!

中庭の建物
手前はラベンダー
バラもたくさん
こちらが客室の建物、Domus Mariaというホテル
朝食会場
こぢんまりした部屋

お土産

アメリカ→イギリス→ギリシャ→トルコ→ラトビア→リトアニア、と6ヶ国を巡ってきた旅ですが、物価と移動の荷物を踏まえて、お土産はすべてリトアニアで買うことを決めていました。

1枚目の写真、穴の開いたツクツクがあるお菓子はシャコティス。一説によるとバームクーヘンの起源と言われている、リトアニアとポーランドの伝統的なケーキ。スーツケースでこのツクツクが絶対折れると思い、低ツクツクのものを選んで買いました。まあまあ高いけど美味しかった!

2枚目、キノコ型チョコ。こちらもグリーブカイと呼ばれるリトアニアの伝統的なお菓子。土産物屋やスーパーで見かけます。これが驚異的に美味くて、家族への土産で買ったのに自分が一番食べていた。日保ちするし、今リトアニアに行ったら10袋は買って帰ってくること間違いなし。

3枚目はミードという蜂蜜のお酒。追加のお土産を物色してて、空港で見つけた。表から3本しか見えてなかったけど、実は6本入っていて、空港の割に価格も手頃でした。アルコール12%~50%まであるので、渡す相手のアルコール許容度を踏まえて選びましょう。濃いめのを割って飲んだけど、甘すぎなくて飲みやすかった。

シャコティス
No.1 Hit! グリーブカイ
蜂蜜酒ミード 12/15/25/30/35/50%

写真はないけど他に購入したのは、小さな瓶入り蜂蜜、オーガニックのリップバーム(リトアニアはオーガニックコスメが豊富らしい)、めっちゃ肌触りの良いリネンの布巾など。リトアニアのチョコレートブランド、Rūtaも板チョコの種類が豊富で、箱もお洒落なので土産に良いです。市庁舎広場の北側にお店があるのと、スーパーにも置いてあった。

やはり物価が他の国より安かったので、リトアニアで買うことにして正解でした!3ユーロ以下で大体揃います。イギリスやギリシャで買ったら3~5倍はかかりそう。ちなみに同じリトアニアならヴィリニュスよりカウナスの方が物価が安めです。

お土産の大半をLocal Houseというお店で買いました。たまたまカウナスで最初に買い物したら、ヴィリニュスにはもっと大きな店があった。地元のアーティストのイラストやアクセサリーなどもあるし、シャコティスやグリーブカイ、リネンのようなお土産向きのものも売ってます。一度にいろいろ揃うので、オススメ!

以上、やや駆け足になってしまったものの、さまざまな建築を堪能できたヴィリニュスでした

バロックの聖地だったことを事前にまったく把握してなかったので、教会に入ってみて、あ、バロック。あれ、またバロック、と驚きがあったことが面白かったです。情報過多の時代、下調べ不十分の旅、というのも意外と良いかもしれません!

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