自分でできる!不動産登記 住所変更

不動産の購入をされた方は誰しも、書類の山を前に、説明されたり署名したり捺印したり、という忍耐の数時間(または数日間)を過ごされた経験があるかと思います。
その中で、”登記の住所をどうするか?”という二択が出てきたのではないでしょうか。

  1. 現住所(購入時に住んでいる家)にすると、あとから住所変更をしなくてはならない
  2. 新住所(購入する家)にすると変更の手間を省けるけど、本来的には現住所で出すべきものなので、グレーな方法

私は2年前に不動産を購入した際、1を選択したところ、不動産会社から、住所変更登記を司法書士に依頼するなら1-2万円と説明されました。購入ですでに、”そんなに取るの!”とツッコミたくなる金額を司法書士事務所にお支払いしましたので、住所変更くらいは、と自分でやることにしました。

結果として、難しい手続きではなかったため、セルフで十分対応可能でした!参照した情報などをまとめますので、直近で変更登記を予定されている方の参考になれば幸いです。

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不動産登記の住所変更は2026年4月から義務化

2026年4月以降、不動産登記の住所変更登記などが義務化されることになり、守らないと5万円以下の過料が課されることもあるとのこと。2024年4月に、相続登記が義務化されたことに続いての変更となり、近年課題となっている”所有者不明土地”への対応の一環のようです。

義務化を前にスマート変更登記という新しいサービスが開始され、どうやら今後は住所変更登記を名義人自身が行うことは少なくなりそうです。変更を急がない場合は、2026年に予定されているこのサービスの本格稼働を待つのが良いかもしれません。スマート変更登記については、最後にもう少しご説明します。

不動産登記 住所変更:準備

申請書作成のため、準備するのは下記4点です。

1. 登記申請書

住所変更に使うのは、”登記名義人住所・氏名変更登記申請書(住所移転の場合)”という書類になります。氏名変更など他の変更申請書も含めて、法務局の不動産登記の申請書様式についてというページからダウンロード可能です。

マンションの場合は通常、敷地権付き区分建物の様式書類を利用します。WordでダウンロードすればPCで編集可能ですし、編集が面倒な場合はPDFをダウンロードして手書きでも問題ありません。様式と一緒に記載例もありますので、あわせてダウンロードします。
余談ですが、今どき”一太郎”のテンプレートが用意されているのは、さすがお役所。

2. 全部事項証明書(登記簿謄本)

申請書に記入する内容は、”全部事項証明書”から転記する部分がほとんどですので、全部事項証明書(登記簿謄本)をご用意ください。見当たらなかったら、契約時の書類の山を探してみましょう!

3. 住民票

申請時に一緒に提出しますが、住所変更の日付など、参照して申請書に記載する項目もあります。ちなみに住民票コードというものが分かると、住民票の提出は省略できるようですが、住民票が手元にないのに、そのコードだけ分かる状況もレアかと思います。また、住所変更が1回以上の場合、住民票では済まないケースもあるようです。

4. 収入印紙(登録免許税)

マンションの場合、建物と土地(敷地権)それぞれ1000円となるため、あわせて2000円分です。敷地権が複数あったりすると、その数に応じてかかるようですので、全部事項証明書をご確認ください。私はコストを安くするために、金券ショップに行って購入しました。10円しか変わりませんでしたが・・。

記入方法

基本的には、ダウンロードした記載例、または住所変更登記・氏名変更登記の申請手続のご案内ページからダウンロードできる資料を見れば、その通りに進めることができます。

登記の目的にいきなり、X番所有権登記名義人と書いてあって、”何のこと?”と思いましたが、自分がその物件の何番目の名義人ということのようで、全部事項証明書に記載されています。私の場合は、新築時のオーナーの次に購入したため、2番でした。原因というのは、自分が住所を変更したことになりますので、住民票の住所変更日を記入します。

名前や住所などは通常通り記入。申請先の法務局は住所によって変わるため、確認して記入、登録免許税も物件にあわせて記入。そして不動産の表示という項目以降は、全部事項証明書を参照して項目を照らし合わせながら記入すれば大丈夫です。不動産番号家屋番号などという、見慣れない言葉が出てきますが、すべて全部事項証明書に同じように記載されています(さすが全部事項!)。

記入が終わったらプリントアウトして、申請手続のご案内資料を参考に、印紙の貼付なども進めます。書類の綴じ方など細かいことがいろいろ書いてありますが、もし法務局に提出に行く場合は、確認してもらってその場でハンコを押す、という方法も取れるかと思います。

提出方法

郵送でも提出できますが、私は徒歩圏内に法務局があるため、直接行って内容を見てもらいました。相談の予約は電話でしたが、非常に慣れた対応でスムーズに予約できましたし、都合がつかなくなって日程変更するのも簡単でした。

作成した書類を担当者に見ていただき提出。不備などがあれば電話で連絡が来るということなので、連絡がなければ問題なく受領されたと考えて良いでしょう。また、必要なら”完了書類”がもらえるということでしたが、私は特に必要としていないため、受け取りには行きませんでした。

抵当権抹消登記も!

以上、登記の住所変更の方法でした。このほか、不動産に関して発生する手続きに抵当権抹消登記があります。住宅ローンを返し終わった際に、登記から抵当権を無くす手続きですね。

こちらも、自分でできるレベルの手続きのようです。数十年前、両親が実家のローンを完済した時に、司法書士に金を払いたくない母が、本を一冊買ってきて自分でやっていたのを覚えています。今は本を買わずともネットで調べて対応できるので、より簡単です。住所変更と同様に法務局のサイトに情報がありますし、相談予約もできます。私の完済はまだまだ先ですが、不動産に限らず、自分でできることはなるべくコストをかけずに済ませたいです。

ちなみに不動産登記関連の手続きは、登記・供託オンライン申請システムというサービスでも行えるようです。法人や、事業として不動産投資をされている方などは、こちらをお使いなのかもしれませんね。

冒頭で触れたスマート変更登記ですが、4月から利用が開始されたようです。今後登記名義人になる場合、検索用情報を事前に提供しておくと、義務化以降は法務局が名義人に確認した上で、住所変更登記をしてくれるとのこと。便利そうですね!これだと収入印紙(登録免許税)も要らないので、義務化を待った方が得だったじゃん・・と気がついてしまいました涙。
ともあれ来年このサービスが上手く稼動すれば、不動産購入時の個人の負担が減るので、良い変化と言えそうです

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