MicrosoftがSkypeのサービスを終了する、というニュースを耳にして、大げさに言えば”一時代の終焉”という気持ちになりました。Skypeのサービス開始は2004年、リモートワークという言葉も、ZoomもGoogle Meetもない時代、インターネット経由の音声/ビデオ通話といえばSkypeの独壇場でした。
私自身は2007年からSkypeを使ってきたので、18年間、Skypeよ本当にありがとう!とまずは感謝の意を表します。最近は個人間の通話は、LINEやFacebook Messengerを使っていましたが、”Skypeクレジット”というプリペイド方式のIP電話機能で、海外や国内の電話を安くかけるのに、ずっとSkypeを愛用していました。サービス終了に伴い、代わりの通話アプリを探して、”Yolla”の導入にいたった経緯をご紹介します。
そもそもIP電話のメリットは?国際電話だけでなく、国内の通話も安い!
Skypeのようなサービスの普及により、海外とのコミュニケーションコストは劇的に安くなりました。留学などで、日常的に海外と通話したい方にとって、本当に画期的なサービスだと思います。一方で、お互いのユーザーIDを事前に交換しておく必要があるなど、基本的には知人同士の通信手段と言えます。
Skypeクレジットで提供されていたのは、これとは異なりIP電話のサービスです。ネット回線があれば、世界中いろいろな国の固定電話、携帯電話と通話することができます。例えば海外旅行中、チェックインが予定より遅れることをホテルに連絡する、というような場面で役立ちます。
国際電話は非常に高額なので、IP電話を使うメリットが大きいのはもちろんですが、国内の電話においてもコスト面のメリットがあります。サービス終了に伴い、Skypeクレジットの料金表は確認できなくなってしまいましたが、履歴を見たところ日本の固定電話への料金は$0.066 = 約9.6円(ドル円145円換算)。私のスマホの契約では通話は30秒22円のため、1分あたりでは1/4のコストです。レストランや病院の予約など、自分の番号でかける必要のない電話は結構あると思います。また、役所や企業などに問い合わせをして、待たされて意外と時間がかかった、という場合にもコストの安いIP電話は安心です。かけ放題プランを契約するほど通話は使わない、という状況において、IP電話は非常にコストパフォーマンスが良い選択肢です。
海外で主流のサービスを調査、候補をピックアップ
Skypeの代替となるサービスを、日本語で探しても情報源が国内に限定されてしまいますので、英語で”international calling app”などと検索してリサーチを開始。”10 Best Apps”などの記事も参照しましたが、Google先生がこちらの画像のように、ほぼ答えを出してくれているので候補選びは簡単でした。

Googleボイス、全然知らなかったのですが、Googleのサービスなら安心かと思い見てみたら、日本では提供されていませんでした。
WhatsApp、海外では最も普及してるメッセージアプリと認識してましたが、改めて確認したところ、固定電話や携帯電話にかける機能はなく、あくまでアプリ内のコミュニケーション。LINEと同じですね。つづいて残り3社を比較します。
Viberは料金で脱落、RebetelとYollaの2択に
Viber
Viber、楽天が買収して一時期話題になりましたが、日本で普及してないのですっかり忘れてました。日系ということもあり、日本の料金体系に期待。かけ放題は必要ないので、”Viber Outクレジット”の日本への通話料金を確認したところ、Skypeよりは安いです(2025年5月5日のサイト上の表記、以下RebetelとYollaも同様)。
- 携帯電話 9.8¢ / 分( ~ 14.20 JPY)
- 固定電話 2.7¢ / 分( ~ 3.91 JPY)
比較のためアメリカへの通話も確認。
- 携帯電話 1.9¢ / 分( ~ 2.75 JPY)
- 固定電話 1.9¢ / 分( ~ 2.75 JPY)
サービスサイトが日本語対応しているのも安心できるポイントです。こちらを基準に、自分が知らなかった残りのサービス、RebtelとYollaを見てみました。念のため企業情報もチェックします。
Rebtel
Rebtel、wikipediaによれば2006年に設立されたスウェーデンの会社とのこと。サービス開始は2009年なので、運用歴もあり、信用できそうです。サービスサイトの言語は、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語。日本への通話料金は下記。
- Mobile(携帯電話) 5.0¢/min
- Fixed(固定電話) 2.5¢/min
アメリカの料金は下記。
- Mobile (携帯電話)1.0¢/min
- Fixed(固定電話) 1.0¢/min
Yolla
Yolla、2015年にエストニアでサービスを開始したとのこと。Skypeも元々エストニアで開発されたサービスですし、やはり北欧諸国はIT、特に通信サービス系が強い印象です。運用歴もRebetelよりは浅いものの、10年続いているし評価やサポート体制なども問題なさそう。サービスサイトの言語は、英語(米英)、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語、アラビア語。日本への通話料金は下記。少しRebetelより高いですね。
- Mobile(携帯電話) from $0.055/min = 5.5¢/min
- Landline(固定電話) from $0.027/min = 2.7¢/min
アメリカの料金は下記。Rebetelとまったく同じです。
- Mobile(携帯電話) from $0.01/min = 1¢/min
- Landline(固定電話) from $0.01/min = 1¢/min
いくつか他の国も見たところ、Viberは価格でこの2社に劣ると判断し、ここで脱落。RebetelとYollaの2択になりました。日本への通話料で考えると、わずかながらRebetelに優位性がありますが、最終的に決め手となったのはミニマムのクレジット価格。Yollaは4ドル、Rebetelは5ドルの選択肢だったので、低コストから始められるYollaにしました。また、3ドルのプロモーションコードを配布しているブロガーの方を見つけたので、ありがたくそちらから登録させていただきました!
Yollaをダウンロード、クレジットはデビットカードでドル払い
スマホにYollaをダウンロードし、画面に従って登録を進めます。4ドルのクレジットを追加する際は、クレジットカードではなく、ドルのデビットカードで支払って、為替の手数料を回避。ドル預金+デビットカードの使い方については、こちらの記事もぜひご覧ください。

無事に4ドル分のクレジット追加と、追ってプロモーションの3ドルも追加されて、7ドルの残高となりました。10回ほど国内の固定電話への通話で利用しましたが、まだ6.4ドル残っています。Skypeの時もそうでしたが、私の場合年に1回くらいクレジットを購入すれば十分使える消費ペースです。こうして無事に、Skypeの代わりを導入することができました!
これからYollaの導入を検討される方は、下記の紹介リンクから申し込みされると、クレジット購入後に3ドルのボーナスが獲得できます。ぜひご活用ください。
IP電話の注意点、ときどきつながらない番号も
最後にIP電話の注意点です。受信する電話の設定によっては、IP電話ではつながらないことがあります。ナビダイヤル(0570)ですと、”おつなぎできません”と自動音声が流れることもありますが、通常の固定電話では延々コール音のままということもありました。何度か試してつながらないようでしたら、IP電話拒否設定の可能性が高いので、ご自身の電話でお試しください。私はこれまで、病院への電話で一度ありました。
余談ですが、固定電話からはフリーダイヤルなのに、携帯電話からはナビダイヤルのみ、という問い合わせ先を提示する企業が増えている気がします。せめて普通の固定電話回線も問い合わせ先に加えてくれれば、Yollaで電話をかけることができるのに、ナビダイヤルのみでは必ず通話料がかかってしまいます。
先日も銀行への問い合わせで、問い合わせフォームでは完結しなそうな内容だったので、ケチな私はフォームから折り返しを依頼して、通話料の発生を回避しました!多くの方が携帯からかける時代ですので、企業側も固定電話/携帯電話双方のコストを意識した対応をしてくれるとありがたいですね。
以上、こちらの情報が通話料の節約に役立てば嬉しいです
※Skype画像の引用元:アプリケーション立ち上げ画面のキャプチャ